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モノづくりの現場で役立つ情報をお届けします。

ホブ刃付け盤とは?初心者でもわかる基礎と役割

1.ホブ刃付盤とは?

歯車をつくるために欠かせない工具「ホブカッター」。
しかし、ホブは使うほどにすくい面が摩耗していき
精度が落ちる、加工時間が長くなる、不良品が増えるといった問題を引き起こします。
結果としてコストや納期を圧迫してしまいます。

こうした課題を解決するのが ホブ刃付盤(ほぶはつけばん) です。
摩耗したホブのすくい面を研ぎ直しして切れ味を回復させるための専用機械で、
業界によっては「ホブ研削盤」「ホブ再研磨盤」「ホブシャープナー」「ホブグラインダー」と呼ばれることもあります。

2.なぜホブ刃付盤が必要なのか?

ホブ刃付盤が現場で重宝されるのには、明確な理由があります。

1.    ホブを長持ちさせる
 再研磨で繰り返し使えるため、新品購入の頻度を減らせます。
2.    加工精度を安定させる
 すくい面が摩耗したままでは歯車形状が狂いやすくなります。
研ぎ直せば寸法や仕上がり面を安定させられます。
3.    生産効率を高める
 切れ味が良ければ加工条件を上げられ、サイクルタイムを短縮。納期対応にも余裕が生まれます。

3.活用例と導入メリット

たとえば、自動車部品メーカーのように大量のホブを扱う工場では、
再研磨を外注すると数日〜数週間のリードタイムが発生します。
その間に予備ホブを余分に在庫として抱える必要もあり、コスト増につながります。
一方、ホブ刃付盤を自社に導入すれば…

•    必要なときにその場で再研磨できる
•    工具在庫を削減できる
•    ホブの寿命を延ばせる

これにより年間数百万円単位のコスト削減が実現するケースもあります。

4.FAQ

Q1. ホブ刃付盤とホブ研削盤は同じですか?
A. 呼び方の違いだけで、どちらもホブのすくい面を研ぎ直す機械を指します。

Q2. どのくらいの頻度で研ぎ直すの?
A. 摩耗具合にもよりますが、仕上がりが悪くなったときや一定の加工本数ごとに行うのが一般的です。

Q3. 再研磨とコーティングの違いは?
A. 再研磨は刃先を削って形を整える作業、コーティングは表面処理で耐摩耗性を高める工程です。
両方を組み合わせることで新品に近い性能を引き出せます。

Q4. 再研磨したらコーティングはどうなるの?
A. 再研磨するとコーティング層は削り落ちます。そのため量産では再コートを行うのが一般的です。
ただし、研磨を内製化できるだけでも「納期短縮」「在庫削減」の効果は大きく、
多くの工場が「再研磨は内製・コーティングは外注」という流れで運用しています。

Q5. 初めてでも操作できますか?
A. 数値入力で条件を設定できるタイプなら、教育を受ければ初心者でも十分扱えます。


5.当社のホブ刃付盤SHS202のご紹介

ここまで、ホブ刃付盤の役割や導入メリットを解説してきました。
最後に当社が提供している SHS202 の機械の特長をご紹介します。

初心者の方におすすめできるポイント
•    コンパクト設計:従来機より約30%小型化し、省スペースで設置可能
•    かんたん操作:条件を数値入力する方式で、経験の浅い方でも扱いやすい
•    短時間で再研磨:高剛性設計により加工条件を高められ、サイクルタイムを大幅に短縮

技術者の方に注目いただきたいポイント
•    高剛性フレーム:振動を抑制し、仕上がり精度を安定化
•    CBNクリープ研削工法対応:効率よく削りながらRmax1.5µmクラスの仕上げが可能
•    対応範囲:外径200mm・全長250mm・刃高20mmまで対応
•    NC軸制御:必要最小限の軸構成でシンプルかつ安定した割出精度を確保

詳しい仕様やオプションについてはこちらをご覧ください:
三和精機オリジナル製品ページ

6.まとめ

ホブ刃付盤は摩耗したホブを再研磨して切れ味を回復させるための専用機械です。
呼び方は「ホブ研削盤」「ホブ再研磨盤」「ホブシャープナー」などさまざまですが
目的は共通しておりホブを長持ちさせ、歯車加工の精度と効率を維持することにあります。

再研磨を自社で行えるだけでも外注コストやリードタイムを大きく削減できるため、導入メリットは非常に大きいといえます。