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サンワラボ

モノづくりの現場で役立つ情報をお届けします。

SHF08 小型ホブ盤について

1.いま歯車加工機に求められているもの

日本国内では、近年ロボットや減速機の小型化が進んでおり
モジュール0.3〜2程度の小さな歯車を、高精度かつ短納期で製造できる設備が求められています。

また、特殊形状ギヤの高精度加工に対応できる専用機の需要も増えています。
こうしたギヤは一般的な設備では加工精度や生産効率の両立が難しく
小型でも高剛性・高精度な専用機が必要とされています。

さらに、段替え時間の削減や無人連続加工への対応も重要なテーマとなっています。
ガントリーローダーやロボットによる省人化・自動化ラインを構築し
人手不足の中でも安定生産を維持する仕組みづくりが求められています。

一方で、製造現場では環境負荷の低減や省エネルギー化も大きな課題です。
設備の稼働効率を高め、消費電力を抑えながら高精度な加工を維持することが
今後の歯車製造設備に求められる方向性となっています。

こうした市場の流れを背景に
三和精機は“省スペース・高剛性・高精度・自動化対応”をキーワードに、
新たな小型ホブ盤「SHF08」を開発しました。


ギヤ

2. SHF08とは?

コンセプト:究極の生産性を追求した超コンパクトな1台。

SHF08は限られた設置スペースでも高精度歯車加工を実現するために設計された
三和精機の最新小型ホブ盤です。
モジュール0.3〜2.5の精密ギヤ加工に対応し、ロボット減速機、計器ギヤ、電動工具ギヤ
小型モータギヤなど、小径で高精度が要求される部品の生産に最適です。

ベッド構造の最適化により、従来機比で約30%の設置面積削減を達成しながら
加工精度と剛性を維持。
さらに、ロータリードレス装置や自動ローダーなどの自動化オプションとの連携も想定した構成で
省スペース・高精度・省人化を同時に実現します。

3.SHF08 の注目ポイント

① 小型でも高剛性

特殊設計により、小型機ながらも中型機に匹敵する切削安定性を備え
小モジュールギヤからm2.5クラスのギヤでも安定した歯形精度を確保する事ができます。

② ローダー連携による自動化対応

SHF08は、専用ガントリーローダーやロボットとの連携を前提に設計されています。
ワークの自動供給・排出を組み合わせることで、
段取り作業を最小化し、長時間の無人運転にも対応。
小型機でありながら、ラインの一部として組み込みやすい構造を採用し、
生産効率と省人化の両立を実現しています。

③ メンテナンス性・精度安定化

長期間にわたり安定した精度を維持するため、
熱源を加工点から離して配置する熱安定構造を採用。
さらに、潤滑経路やカバー構造を見直し、清掃・点検などの日常保守作業を容易にしました。
結果として、精度・稼働率・保守性をバランスよく両立しています。


ホブ盤内部構造


4. 開発の背景・技術思想

SHF08の開発では「サイズを小さくすること」と「剛性を落とさないこと」という
相反する2つの課題に真正面から取り組みました。

一般的に「重量が重いほど剛性が高い」と考えられがちですが
実際にはリブ構造の最適化やフレームバランスの設計によって
軽量化と高剛性の両立が可能です。

SHF08ではこうした理論を実際の構造に落とし込み
小型でありながら精度よく加工できる機械を形にするまでに多くの試行錯誤を重ねました。
この構造設計が開発チームにとって最も苦労した部分でもあります。

もう一つのテーマは「見た目の進化」でした。
SHF08は単に性能を高めるだけでなくデザイン性と使いやすさの両立も目指しています。
機体デザインやロゴの検討には社内公募も行い、多くの意見を取り入れながら外観をブラッシュアップ。
付帯装置はクーラントタンク上部に立体的に配置することで
本体との一体感とコンパクトさを両立しました。

操作盤のデザインや画面レイアウトも改良し
見た目の美しさだけでなく操作性の向上にもつながる工夫を取り入れています。
さらに、カバー構造ではボルトの使用を極力減らすことで
メンテナンス時の取り外しを容易にし、現場作業の効率化を図りました。

また、ローダーなどの搬送装置を取り付ける際には
本体内部の支柱を活用する設計とすることで
設置レイアウトの自由度を確保しながら省スペース化を実現しています。

こうした一つひとつの工夫の積み重ねが
「小型でも高剛性・高精度、かつデザイン性の高いホブ盤」という
SHF08の完成へとつながりました。


5.MECT2025での反響

2025年10月に開催された MECT2025(メカトロテックジャパン) では
三和精機のブースにて新型小型ホブ盤「SHF08」を出展いたしました。

展示会では、多くのお客様に実機をご覧いただき
その剛性の高さとコンパクトな構造に大きな関心をお寄せいただきました。

特に、来場されたお客様からは「このサイズでこの剛性はすごい」というお声を多くいただいております。
本機では会場での加工デモは行いませんでしたが
展示後には「実際のワークでテストカットを行いたい」とのご相談を多数頂戴しました

現在も製造部にてテスト加工をご希望されるユーザー様からのお問い合わせが続いており
SHF08の性能を実際に確かめたいという声の多さに小型ホブ盤への期待の高まりを強く感じています。

今後は、こうした反響を踏まえて
より多くのお客様に本機の加工精度や操作性を体感していただけるよう
実機デモや技術紹介の機会を拡充してまいります。



MECT2025


6. まとめ

SHF08は、省スペース設計・高剛性構造・自動化対応を兼ね備えた新時代の小型ホブ盤です。
現場を知るメーカーとして、三和精機は“使う人に寄り添った進化”を続けていきます。

「SHF08」についての詳細仕様や、オプション構成、実機でのテストカットなどのご相談は
下記ページよりお気軽にお問い合わせください。

製品ページ → https://www.sanwa-seiki.co.jp/products/original/original-products.html
お問い合わせ → https://www.sanwa-seiki.co.jp/contact/

製品に関するご質問のほか
「自社ワークで試してみたい」「自社の加工内容で使えるか確認したい」など
どんな内容でもお気軽にご連絡ください。