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ホブ盤の種類を徹底解説|用途に応じた最適な選び方とは?

歯車を高精度・高効率で加工できるホブ盤(歯切り盤)。
ひとくちにホブ盤といっても、製品サイズや加工内容によって適したタイプは異なります。
ここでは代表的なホブ盤の種類とその特徴、用途に応じた選び方について詳しく解説します。

1. ホブ盤を種類で分ける理由

ホブ盤にはワーク(加工物)の大きさや形状、加工内容、生産規模に応じてさまざまなバリエーションがあります。
適切な種類を選ばなければ思うような加工精度が得られなかったり、過剰な設備投資になったりすることも。
だからこそ、使用環境に合ったタイプの見極めが重要です。

2. 主なホブ盤の種類と特徴

① NCホブ盤(CNCホブ盤)

数値制御によって動作をプログラムできるホブ盤です。
自動運転が可能で複雑な加工も安定して行えます。
量産に適しており、スマートファクトリーやIoT連携にも対応しやすいのが特長です。

得意な加工例:
小~中型の外歯車(平歯車、はすば歯車)
自動車用ギア(トランスミッション用、ステアリング用など)
家電製品や農業機械用の小型ギア

② 横型ホブ盤

ワークが横向きに取り付けられる構造のホブ盤です。
重力の影響が少ないため加工中の安定性が高く、主に小型~中型の歯車加工に向いています。
コンパクトな設計で、省スペース化にも貢献します。

得意な加工例:
φ30〜100mm程度の小径ギア
精密機器用ギア(時計、計測器、医療機器など)
二輪車部品、小型ポンプやファン駆動部品


③ 縦型ホブ盤

ワークを縦方向に設置するタイプで、大型・重量物の加工に適しています。
クレーンでのワーク搬入がしやすく大径歯車や特殊形状品を扱う現場に向いています。

得意な加工例:
φ200mm以上の大型ギア(工作機械主軸用、産業用ロボットの減速機など)
建機・産業車両の動力伝達ギア
大型モーターのシャフトギア


④ 特殊用途ホブ盤

スプライン加工、ウォームギア加工、内歯車(インターナルギア)加工など特定の用途に特化したホブ盤です。
専用設計のため高精度・高能率な加工が可能で、特定分野での量産に大きな力を発揮します。

対応できる特殊加工例:
スプラインシャフトの軸端加工(EVモーター、駆動軸など)
ウォームギア(減速機、搬送装置、医療装置)
インターナルギア(遊星歯車、複合減速機など)


3. 用途・生産形態ごとのおすすめタイプ



用途・条件 おすすめのホブ盤
小型部品/省スペース 小型ホブ盤・横型ホブ盤
大型・重量物の加工 縦型ホブ盤
高精度な量産ライン NCホブ盤
特殊歯車・専用加工 特殊用途ホブ盤
少量多品種・段取り変更が多い現場 NCホブ盤(段取り簡素化モデル)
医療・精密機器業界での微細部品加工 横型ホブ盤+小径ホブ対応機

4. ホブ盤選定のポイント

  • 加工物のサイズ・重量(Φや長さ、材質)
  • 加工対象の歯車の種類(外歯/内歯/ウォーム/スプラインなど)
  • 生産数量・生産頻度(量産 or 多品種少量)
  • 工場の設置スペースと搬入経路の制限
  • 操作性・段取り性(オペレータのスキルに応じた難易度)
  • 将来的な自動化・ライン化の可能性

5. 最適なホブ盤選びのために

ホブ盤(歯切り盤)は一度導入すると長期間使用する設備です。
加工内容やスペース、メンテナンス性など、多角的な視点から選ぶことが成功の鍵です。

三和精機では現場の課題や製品仕様に応じた最適な機種選定をお手伝いしています。
ぜひお気軽にご相談ください。

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